■古くて新しいディップコーティングの考え方■

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ディップによるコーティングは、簡単な生産方法ですが、確実に液体をコーティングできる方法の一つです。
各種の液体に対して、幾つかの条件を組み合わせることで、良好な塗布膜を形成することができます。
(粘性流体を扱う場合、まだ沢山のパラメータが存在するかもしれません
 液体に各種部品をディップコーティングする条件として、下記が上げられます。)
1)液体の粘度
粘度制御、液温制御の必要性があります。
インラインで長寿命な制御が必要です。
2)みかけの粘度
3)液体の攪拌
液体の循環、攪拌、ゴミ処理等の機能が必要になります。
(スラリーや溶剤の溶け込みによる影響)
循環や攪拌がない場合、ディップする液体表面はムラのある状態になります。
オーバーフロー式、槽内循環式、単純攪拌式、等があります。
半導体製造では一般的である磁場や電界による対流制御も今後検討されるかもしれません。
4)表面張力/重力
溶液の状況にもよりますが、低粘度になると、粘度より表面張力の影響が大きくなります。
中粘度の液体と同じディップコーティング条件が成り立ちにくくなります。
5)引き上げ速度
粘度により、引き上げ速度で膜厚が変化します。
(速度が遅い方が、薄くなるのが一般的ではありますが、異なる条件もあります。)
LB法に対応するため超低速でDIPする場合もあります。
6)引き上げ姿勢/動作
ワーク形状、膜厚、ディップ回数、ディップの目的により変わります。
液体によっては、一定の風乾時間経過後再ディップも考えられます。
7)減圧機能
液体の回り込みをよくする。
細孔がある場合等に有効です。
8)乾燥
コーティングの後工程として乾燥がありますが、これも温度や風量、熱源により、仕上がり状況が変化してしまいます。
ディップと同様に、目的により条件は多種多様になってしまいます。
9)気泡除去
高粘度液体の場合、液体内の気泡を真空と攪拌機能を併せ持った装置により取り除くといった、前処理が必要な液体もあります。
10)素材の濡れ性の改善
11)溶媒と溶質の混合状況
 とくに、シンナー等の溶剤を希釈材として使用する樹脂を使用してディップコーティングする場合は、粘度と攪拌が重要なパラメーターとなります。
さらに、高粘度の樹脂を用いてコーティングしようとする場合、温度を上げたり、みかけの粘度を下げることにより、良好な皮膜を作成することが可能な場合もあります。
また、これらの条件の組み合わせにより、膜厚や濡れ性が改善される場合もあります。
 液体により多様なディップ方法があります、
(LB法や結晶成長ではなければ、ただ遅くディップするのではなく、ちょっと変わった方法を
検討するのも悪くないのではないかと考えています。)
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オーバーフローの一例